オーストラリアの地下水が消えている、深刻な干ばつで取水量が急増
オーストラリアの大規模な干ばつによって、地表では見えない地下水の危機が深まっています。通常は降雨で補給される地下水が、近年の猛烈な干ばつにより取水速度が補給速度を大きく上回るようになり、貯蔵量が急速に減少しているのです。
農業が地域経済の中心を占めるオーストラリアでは、表流水が枯渇すると農民たちは地下水井戸に頼るようになります。干ばつが続く中、この地下水への依存度は前例のないレベルに達しており、研究機関の調査によれば地下水の喪失パターンは過去に例を見ない規模に膨れ上がっています。
問題の深刻さは、地下水が目に見えないため、その消失が十分に認識されていない点にあります。河川の干上がりや貯水池の水位低下は一目で分かりますが、地下の貯蔵庫が枯れていく過程は表面的には何も起きていないように見えます。しかし地質学的には、長年にわたって形成された地下水層が数年のうちに枯渇する危機に瀕しているのです。
一度失われた地下水は、数十年から数百年単位での自然補給を必要とします。つまり今の過剰採取が続けば、将来世代は水資源の深刻な不足に直面することになります。気候変動による干ばつの常態化が予想される中、地下水の持続可能な管理が、オーストラリアの農業と水安全保障を守るための急務となっています。