タイの芸能業界が想定外の急成長を遂げています。かつてはアジアの片隅の映像制作地に過ぎなかったタイが、いま世界的なエンターテインメント大国へと変貌を遂げようとしています。 この変化の中心にあるのが、タイのテレビドラマの世界的ブーム。特にBL(ボーイズラブ)やGL(ガールズラブ)といったジャンルの作品が、アジア、ラテンアメリカ、ヨーロッパの視聴者を熱狂させています。これらのシリーズは業界の予想をはるかに上回る人気を獲得し、ストリーミングプラットフォーム上で数百万の視聴者を獲得。ソーシャルメディアではハッシュタグが定期的にトレンドを占めるなど、ファンのエネルギーは生動的です。 タイの芸能業界の収益も大きく拡大しています。2025年の映像・音楽産業全体の収益は700億タイバーツを超える見込みで、業界全体が急速に成長しています。オンデマンド動画サービスの成長が特に顕著で、前年比21%の伸びを見せており、その規模は333億8,620万タイバーツに達しています。 この成功が国家的な政策転換を促しました。タイ国際貿易促進局(DITP)は2026年に、タイのBL・GL作品の国際展開を支援する6つの専門事業を立ち上げました。同時に、タイは国際映画製作の誘致にも力を入れており、2026年第1四半期だけで162件の国際映画製作がタイで行われ、3,600万米ドル以上の製作費が落とされています。 これらの作品に出演する若き才能たちも、いま注目を集めています。例えば、2024年の『Perfect 10 Liners』でPerth Tanaponとの共演により話題となったSanta Pongsapakや、『Show Me Love』での好演で知られるEngfa Warahaなど、複数の有望な俳優たちが国内外で人気を高めています。これらのスターたちは、大型映画やドラマへの出演を通じて、タイの芸能産業の国際競争力を象徴する存在となっています。 今日のタイのエンターテインメント業界は、単なる地域産業から国際競争力を持つ産業へと進化しました。BL・GL作品の成功に後押しされ、タイは映像制作の新しい聖地として、世界的な関心を集めるようになったのです。