エジプトの私立大学、年間授業料6万ジニー未満の選択肢が登場
エジプトで高校卒業資格試験の結果発表を控え、私立大学の授業料情報がにわかに注目を集めています。従来、私立大学はエリート層向けという位置づけが強かったこの国で、今年は年間授業料が60,000エジプト・ポンド未満の大学が複数登場し、中流家庭にも門戸を広げる動きが活発化しています。
背景にあるのは、エジプト国内の高等教育をめぐる構造的な課題です。公立大学は競争が激しく、試験成績上位者に限定される一方、落ち込んだ授業料収入を補うため、私立大学も経営戦略を調整を迫られています。結果として、これまでより手の届きやすい価格帯を打ち出す大学が増え、進学希望者の選択肢が広がる状況が生まれています。
報道によると、新たに低価格帯に参入した大学は複数の学部で授業料を設定しており、学部によって年間40,000ジニーから60,000ジニーの範囲が主流となっています。文系学部ほど料金を抑え、工学や医学系学部で高めに設定する傾向は、他国の私立大学と共通するパターンです。
こうした変化は、中間層の家庭にとって無視できない意味を持ちます。エジプト国内でも所得格差が広がるなか、公立大学進学と私立大学進学の間の経済的ギャップが少しでも縮まることは、多くの受験生にとって「進路の希望」として映っているようです。
今後数年の傾向次第では、エジプトの高等教育市場におけるプレイヤーの勢力図が変わる可能性もあります。学生や家庭が選択肢を増やすメリットがある一方、大学間の過度な価格競争による教育の質の低下を懸念する声もあり、業界全体の成熟度が問われる時期を迎えています。