韓国の労働環境が大きく転換しようとしています。2022年の大統領選挙では、野党候補の李在明氏が「週36時間労働」の公約を掲げ、与党候補も「週休3日」に近いワーク・ライフ・バランス政策を掲げるなど、週休3日制が主要な政策争点となりました。その後、李氏が大統領に就任すると、週4.5日制の導入を急ぐ意向を示しており、政策レベルで働き方改革が本格化しています。 こうした動きの背景にあるのは、韓国が過去数十年にわたって直面してきた長労働時間文化の改革の必要性です。韓国は文在寅政権時代の2018年7月に「週52時間勤務制」を導入しましたが、この制度は不十分だと指摘されてきました。新政権の週休3日制への注力は、単なる労働時間削減ではなく、高い失業率で苦しむ若年層の雇用創出や人材確保といった経済的課題とも結びついた、より戦略的な改革として位置づけられています。 週休3日制の導入によって、個人の生活の充実と労働生産性の向上が両立するかは、運用の工夫次第です。労働日数は減らしつつ1日の労働時間を延ばす「総労働時間維持型」や、給与を維持しながら労働時間を削減する「給与維持型」など、複数の実装方法が考えられます。韓国での試みが成功すれば、アジア全域の労働政策に大きな影響をもたらす可能性があり、その展開が注目されています。