フランスのゲーミング市場でPS5の価格戦略をめぐる議論が熱を帯びている。Sonyの段階的な値上げに対し、プレイヤーから反発の声が上がっている一方で、ゲーム業界全体がデジタル配信へシフトしていく現実が浮き彫りになっている。 Sonyは最近の価格引き上げについて、ハイエンドゲーミングPCと比較すればPS5がより手頃な選択肢であることを強調している。確かに、同等のスペックを持つPCを購入することを考えると、PS5の価格優位性は存在する。しかし、フランスのゲーマーの間では、単なる価格の問題だけでなく、ゲーム購入体験そのものの変化に対する懸念が深まっている。 特に注目されるのは、物理メディアの廃止に向けた業界の流れだ。かつてNintendoの社長を務めた岩田聡氏は17年前に、ゲーム業界における物理メディアの衰退を予見していた。当時は多くの人にとって未来の話に思えた展開が、今まさに現実になろうとしている。PS5でもゲームソフトの販売形態がデジタル中心へと急速にシフトしており、ディスク版の存在意義そのものが問われ始めている。 フランスを含むヨーロッパのゲーマーにとって、この流れは複雑な感情をもたらしている。価格上昇、デジタルメディアへの強制的な移行、そしてこれまで当たり前だった所有感の喪失という三つの要素が同時に進行しているのだ。業界がどのように進化していくのか、そしてプレイヤーがそれにどう適応していくのか、その先行きはまだ不透明な状態が続いている。