AI人材争奪が激化するUAE—成長し続ける労働市場で求められる新しいスキル
中東の経済ハブであるアラブ首長国連邦(UAE)の労働市場が、2026年も力強い成長を続けている。政府統計によれば、第1四半期の民間部門の就業者数は前年比2.5%増を記録。登録企業も増加し、経済全体の拡大が雇用機会を生み出している。特に建設・金融・エネルギーといった伝統的な産業だけでなく、技術分野での人材需要が急速に高まっている。
しかし好況の中にも課題が見えてくる。採用担当者の間で最も深刻な問題として挙げられるのが、AI・機械学習エンジニアやクラウド・アーキテクト、DevOpsエンジニアといった高度な技術職の採用難だ。企業は募集しても適切な人材を見つけることが難しく、世界的なテック人材争奪戦がUAEにも波及している。一般的なIT卒業生は充足しているものの、AI分野の深い専門知識を持つ人材は極めて限定的という状況が、採用チームを悩ませている。
UAE政府は2024年から、従業員20~49人の企業に対してアラブ首長国連邦国民を最低1人以上雇用する義務化する「エミラティゼーション」政策を強化。これにより国内労働者の私有部門への統合を進め、経済への地域住民の参加を深めようとしている。同時に労働法の改正では、従業員保護の強化と労働紛争解決の効率化に注力。月曜から金曜までの就業週への転換も実現し、働き方改革が着実に進んでいる。
2026年中盤から2027年にかけて、採用活動はさらに活発化すると予想されている。政府は2030年までに雇用需要が100万人増加することを見込む一方で、IT、医療、金融、再生可能エネルギーなど複数の産業で専門人材の確保がカギを握る。多くの企業がアフリカ・アジアなど従来と異なる採用候補地にも目を向け始め、グローバルな人材獲得戦略へのシフトが進行中だ。