アメリカの建設業界、50年で生産性が3割低下――規制強化と経済成長のジレンマ
アメリカの経済全体が成長する一方で、建設業界では深刻な生産性の低下が続いています。1970年から2020年にかけて、建設労働者の生産性は30%以上低下。同じ期間にアメリカ経済全体の生産性は2倍に増加しており、建設業界の停滞ぶりが顕著です。
2024年も状況は改善していません。建設業界の産出は前年比3.7%低下した一方で、労働時間は2.1%増加。より多くの労働力を費やしながら、より少ないアウトプットを生み出している逆説的な状況が続いています。
この衰退の背景には、1970年代以降に導入された土地利用規制(ゾーニング)の急速な拡大があると指摘されています。建設企業は規制によって大型プロジェクトを進めにくくなり、小規模なまま留まることを余儀なくされ、技術革新の インセンティブも低下してきました。また、環境影響評価法(NEPA)などの連邦規制によって、プロジェクト承認に長期間を要するようになったことも影響しています。
建設業は2024年時点でアメリカのGDPの約4.5%を占める重要な産業です。生産性の低下は住宅供給不足と価格上昇をもたらし、多くのアメリカ人が住宅購入の困難に直面しています。経済成長を支えるインフラ投資とも無関係ではなく、規制と産業活性化のバランスをいかに取るかが、今後の経済課題として浮上しています。